簿記3級

【簿記3級・018】掛取引の仕訳をやさしく解説|買掛金・売掛金・請求書・入出金明細

はるり

この記事でわかること

前回は商品売買の基本として、三分法(仕入・売上・繰越商品)の仕訳を学びました。

今回は商品売買の続きとして、掛取引を学びます。「後払い・後受け」の仕組みは実務でも試験でも頻出です。請求書や入出金明細を使った実践的な問題にも挑戦してみましょう。

  • 掛取引の仕組みと、買掛金・売掛金の仕訳ができます
  • 人名勘定の使い方がわかります
  • 請求書・入出金明細を見て仕訳に起こす方法がわかります

掛取引とは

掛取引とは、商品の受け渡しと代金の支払いを「別のタイミング」で行う取引のことだよ。たとえば「今日は商品を受け取って、代金は月末にまとめて払う」という約束で取引するイメージだね。

現金取引と比べると、こんな違いがあるよ。

現金取引掛取引
代金の支払い その場で現金を払う 後日まとめて払う
使う勘定科目 現金・当座預金など 買掛金・売掛金

買掛金と売掛金って、どちらがどっちなの?

こう覚えよう。
ったときの後払い義務=買掛金(負債)
ったときの後受け権利=売掛金(資産)」だよ。

勘定科目分類いつ使う?
買掛金 負債 商品を掛けで仕入れたとき(後で払う義務)
売掛金 資産 商品を掛けで売ったとき(後で受け取る権利)

買掛金の仕訳(仕入時・支払時)

買掛金は2段階で仕訳するよ。「仕入れたとき(買掛金が増える)」と「代金を払ったとき(買掛金が減る)」の2回だね。

仕入時の仕訳

例題① 商品を掛けで仕入れた
商品50,000円を掛けで仕入れた。
借方(左)金額貸方(右)金額
仕入 50,000 買掛金 50,000
✏️ 現金で払っていないので、貸方は「現金」ではなく「買掛金」になるよ。買掛金(負債)が増えるから貸方に記録するよ。

支払時の仕訳

後日、代金を払ったときは買掛金(負債)を減らすよ。負債が減るときは借方に書くよ。

例題② 買掛金を現金で支払った
例題①の買掛金50,000円を現金で支払った。
借方(左)金額貸方(右)金額
買掛金 50,000 現金 50,000
✏️ 買掛金(負債)が減るので借方に書くよ。これで後払いの義務が消えたことになるよ。

仕入時と支払時で、買掛金の位置が逆になるんだね!

そう!負債が増えるときは貸方、減るときは借方だよ。買掛金はこのセットで理解しておこう。

売掛金の仕訳(売上時・回収時)

売掛金も2段階で仕訳するよ。「掛けで売ったとき(売掛金が増える)」と「代金を受け取ったとき(売掛金が減る)」の2回だね。

売上時の仕訳

例題③ 商品を掛けで売った
商品80,000円をA商店に掛けで売った。
借方(左)金額貸方(右)金額
売掛金 80,000 売上 80,000
✏️ 現金をまだ受け取っていないので、借方は「現金」ではなく「売掛金」になるよ。売掛金(資産)が増えるから借方に記録するよ。

回収時の仕訳

後日、代金を受け取ったときは売掛金(資産)を減らすよ。資産が減るときは貸方に書くよ。

例題④ 売掛金が普通預金に振り込まれた
例題③のA商店からの売掛金80,000円が、普通預金に振り込まれた。
借方(左)金額貸方(右)金額
普通預金 80,000 売掛金 80,000
✏️ 売掛金(資産)が減るので貸方に書くよ。後で受け取る権利が、実際のお金(普通預金)に変わったイメージだよ。

買掛金と売掛金で、借方と貸方のパターンが逆になってるね。

よく気づいたね!買掛金(負債)と売掛金(資産)は分類が逆だから、増減の方向も逆になるよ。表にまとめるとこうなるよ。

勘定科目増えるとき減るとき
買掛金(負債) 貸方(右)←掛け仕入 借方(左)←支払時
売掛金(資産) 借方(左)←掛け売上 貸方(右)←回収時

人名勘定とは

掛取引では「買掛金」「売掛金」を使うのが基本だけど、試験によっては取引相手の会社名・人名をそのまま勘定科目として使う「人名勘定」が出てくることがあるよ。

たとえば「A商店から掛けで仕入れた」という場合、「買掛金」の代わりに「A商店」と書くよ。

仕訳の書き方は変わるの?

仕訳の構造は全く同じで、勘定科目の名前だけが違うよ。比べてみよう。

通常の勘定人名勘定
掛け仕入 仕入 50,000 / 買掛金 50,000 仕入 50,000 / A商店 50,000
掛け売上 売掛金 80,000 / 売上 80,000 B商店 80,000 / 売上 80,000

なんか普通預金のときに似ているね。
わかりやすくするために、名前をそのまま使うって言うところがそっくり。

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そうだね似ているね。
でも当座預金のときは「銀行名+普通預金」だったけど、買掛金や売掛金は「取引先名」だけだからね。その違いには気をつけようね。

はーい。

試験問題に出てきたらどちらを使えばいいかは、どうやって判断するの?

問題文の指示に従えばOKだよ。「人名勘定を使うこと」と書いてあれば人名勘定、特に指示がなければ「買掛金・売掛金」を使おう。

請求書から仕訳する

さて、前にも少し出てきた請求書について覚えているかな?

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うん覚えてるよ。

請求書は取引先に代金の支払を求めるための書類だよ。

しっかり覚えていてえらいね。

買掛金のときは仕入先から請求書が届くし、売掛金なら自社で発行して得意先に送るよ。

実際の試験では、仕訳の条件が文章ではなく「請求書のイメージ」で与えられることがあるんだ。
落ち着いて「合計金額」と「支払条件(掛けかどうか)」を確認することがポイントだよ。

仕入時(仕入先から届いた請求書)

B商店から届いた請求書を見て、仕訳をしてみよう。

請 求 書
発行元:B商店
請求先:当社
品名数量単価金額
△△商品10個3,00030,000
○○商品5個4,00020,000
ご請求金額 50,000円
お支払い期日:当月末 (掛取引)
請求書からの仕訳(仕入時)
上記の請求書を受け取ったときの仕訳。支払いは月末(掛取引)。
借方(左)金額貸方(右)金額
仕入 50,000 買掛金 50,000
✏️ 請求書の「ご請求金額」が仕入の金額になるよ。支払条件が掛け(後払い)なので、貸方は買掛金だよ。

売上時(自社が発行する請求書)

今度は当社がC商店に請求書を発行したケース。自社が商品を売って、後で代金を受け取るよ。

請 求 書
発行元:当社
請求先:C商店 御中
品名数量単価金額
□□商品8個10,00080,000
ご請求金額 80,000円
お支払い期日:翌月末 (掛取引)
請求書からの仕訳(売上時)
上記の請求書をC商店に発行したときの仕訳。代金は翌月受け取り予定(掛取引)。
借方(左)金額貸方(右)金額
売掛金 80,000 売上 80,000
✏️ 自社が発行した請求書の「ご請求金額」が売上の金額になるよ。まだ現金を受け取っていないので、借方は売掛金だよ。

入出金明細から仕訳する

試験では、銀行口座の「入出金明細」を見て仕訳する問題も出るよ。明細の各行が「どんな取引か」を読み取ることがポイントだよ。

日付摘要出金入金
5/15 B商店 振込 50,000
5/20 C商店より入金 80,000

出金と入金、それぞれどんな仕訳になるの?

「誰からの入出金か」と「何の取引か」を考えて仕訳するよ。

B商店への出金(5/15)は、掛けで仕入れた代金の支払いだから「買掛金の支払い」だね。C商店からの入金(5/20)は、掛けで売った代金の回収だから「売掛金の回収」だよ。

5/15 B商店への出金(買掛金の支払い)
B商店への買掛金50,000円を普通預金から振り込んだ。
借方(左)金額貸方(右)金額
買掛金 50,000 普通預金 50,000
✏️ 出金=普通預金が減る(貸方)。相手科目は買掛金(支払いで減るから借方)。
5/20 C商店からの入金(売掛金の回収)
C商店からの売掛金80,000円が普通預金に振り込まれた。
借方(左)金額貸方(右)金額
普通預金 80,000 売掛金 80,000
✏️ 入金=普通預金が増える(借方)。相手科目は売掛金(回収で減るから貸方)。

練習問題で確認しよう

仕訳の?のセルをタップ(クリック)すると答えが出るよ。勘定科目と金額を両方考えてから確認しよう。

問題①
商品60,000円をD商店から掛けで仕入れた。
借方金額貸方金額
現金を払っていないので、貸方は?
問題②
D商店への買掛金60,000円を現金で支払った。
借方金額貸方金額
買掛金(負債)が減るときは借方貸方どっちかな?
問題③
商品100,000円をE商店に掛けで売った。
借方金額貸方金額
現金をまだ受け取っていないので、借方は?
問題④
E商店からの売掛金100,000円が普通預金に振り込まれた。
借方金額貸方金額
売掛金(資産)が減るときは借方貸方どっちかな?問題①〜④で1セットの流れになっているよ。

問題①〜④が「仕入→支払い→売上→回収」の一連の流れになってるんだね!

よく気づいたね!掛取引は「増やす→減らす」の2段階が必ずセットになるよ。この流れを意識すると、仕訳を間違えにくくなるよ。

まとめ

掛取引のポイント

買掛金(負債):掛けで仕入れたときに発生。仕入時は貸方、支払時は借方

売掛金(資産):掛けで売ったときに発生。売上時は借方、回収時は貸方

人名勘定:買掛金・売掛金の代わりに相手先の会社名・人名を使う。仕訳の構造は同じ

請求書・入出金明細からの仕訳のコツ

① 請求書→「ご請求金額」を確認し、掛け取引かどうかで買掛金・売掛金を判断する

② 入出金明細→「誰からの入出金か」「何の取引か」を読み取り、売掛金の回収または買掛金の支払いとして仕訳する

次回は、掛取引の続きとして返品について学んでいくよ。
「仕入れた商品を返したとき・売った商品が返ってきたとき」の仕訳を一緒に確認していこう。

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【簿記3級・017】商品売買ってどう仕訳するの?三分法の基本をやさしく解説
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