簿記3級

【簿記3級・033】未収入金・未払金をやさしく解説

はるり

この記事について

前回は役員貸付金(やくいんかしつけきん)・役員借入金(やくいんかりいれきん)として、会社が役員とお金を貸し借りするときの処理を学びました。

今回は未収入金(みしゅうにゅうきん)・未払金(みばらいきん)です。商品以外のものを売り買いして、まだ受け取っていない代金・まだ払っていない代金を表す科目を学びます。売掛金・買掛金とそっくりなので、見分け方がポイントになります。

  • 未収入金(資産)・未払金(負債)がどんなものかがわかります
  • 商品以外のものを売ったとき・買ったとき、それぞれの仕訳ができます
  • 売掛金・買掛金との見分け方(商品か、商品以外かで科目が変わること)がわかります

未収入金・未払金とは

「未収入金」と「未払金」?売掛金・買掛金と似てる気がするけど、何がちがうの?

いいところに気づいたね。じつはそっくりなんだ。ちがいはたった1つ、売り買いしたのが「商品」か「商品以外」かだけだよ。

商品以外…?お店で売るための商品じゃないものってこと?

そう。たとえば会社が使っていた土地や備品だね。そういう商品以外のものを売り買いしたときに使うんだ。立場でこう分かれるよ。

  • 商品以外のものを売って、まだ受け取っていない代金→未収入金(みしゅうにゅうきん/資産)
    …あとで受け取れる権利
  • 商品以外のものを買って、まだ払っていない代金→未払金(みばらいきん/負債)
    …あとで払わなければならない義務

なるほど、売掛金・買掛金の「商品以外バージョン」なんだね。

まさにそういうこと。じゃあ、全体の流れを図で見てみよう。

📝 未収入金・未払金の2つの場面
① 商品以外のものを売り買いしたとき
売った側:商品以外(土地・備品など)を売る→ 未収入金(資産)が増える
買った側:商品以外(土地・備品など)を買う→ 未払金(負債)が増える
② 代金を決済するとき
売った側:代金を回収する→ 未収入金(資産)が減る
買った側:代金を支払う→ 未払金(負債)が減る
流れは売掛金・買掛金とそっくり。ちがうのは、売り買いしたのが「商品」か「商品以外」かだけなんだ。

ほんとに売掛金・買掛金とおなじ流れだね。あとで決済するだけだ。

そう、流れは同じ。それじゃあ、商品以外のものを売った側から仕訳を見ていこう。

商品以外のものを売った側(未収入金)の処理

商品以外のものを売ったとき

当社が、使っていた土地を売る場面を例に考えていこう。商品じゃないから、売掛金ではなく未収入金を使うんだ。

例題① 商品以外のものを売ったとき(売った側)
当社は、帳簿価額300,000円の土地を300,000円で売却し、代金は月末に受け取ることにした。
借方(左)金額貸方(右)金額
未収入金 300,000 土地 300,000
✏️ ポイントは、売ったのが商品以外(土地)だから科目を未収入金にすること。土地が出ていって、あとで代金を受け取れる権利が増えるよ。

売掛金のかわりに未収入金にするだけなんだね。

そう。次は、その代金を受け取る場面を見てみよう。

代金を回収したとき

月末になって、土地の代金が入ってくる場面だよ。未収入金(資産)を減らすだけだね。

例題② 代金を回収したとき(売った側)
例題①の未収入金300,000円について、月末に現金で受け取った。
借方(左)金額貸方(右)金額
現金 300,000 未収入金 300,000
✏️ ポイントは、受け取ったら未収入金(資産)を消すこと。あとで受け取れる権利が、現金に変わるイメージだよ。

売ったときに増やした未収入金を、回収したら消すんだね。すっきり!

そのとおり。今度は反対に、商品以外のものを買った側を見てみよう。

商品以外のものを買った側(未払金)の処理

商品以外のものを買ったとき

今度は当社が備品を買う場面を例に考えてみよう。商品じゃないから、買掛金ではなく未払金を使うんだ。

例題③ 商品以外のものを買ったとき(買った側)
当社は、備品500,000円を購入し、代金は月末に支払うことにした。
借方(左)金額貸方(右)金額
備品 500,000 未払金 500,000
✏️ ポイントは、買ったのが商品以外(備品)だから科目を未払金にすること。備品が増えて、あとで払う義務が増えるよ。売った側を買い手から見た形だね。

買掛金のかわりに未払金なんだね。同じ後払いでも、商品以外だから科目が変わるんだ。

そういうこと。次は、その代金を払う場面だよ。

代金を支払ったとき

最後は月末、備品の代金を払う場面だよ。未払金(負債)を減らすだけだね。

例題④ 代金を支払ったとき(買った側)
例題③の未払金500,000円について、月末に現金で支払った。
借方(左)金額貸方(右)金額
未払金 500,000 現金 500,000
✏️ ポイントは、払ったら未払金(負債)を消すこと。あとで払う義務がなくなって、現金が出ていくよ。例題②の鏡だね。

4つとも、未収入金か未払金を増やしたり減らしたりするだけだったね。

そのとおり。あとは売掛金・買掛金との「ちがい」を整理すれば完璧だよ。

売掛金・買掛金とのちがい

結局、売掛金・買掛金と未収入金・未払金って、どこで見分けるの?

見分けるのは1か所だけ。「売り買いしたのが商品か、商品以外か」。それだけで科目が変わるんだ。表で見くらべよう。

売掛金・買掛金(既出)未収入金・未払金(今回)
売り買いしたもの 本業の商品 商品以外
まだもらっていない代金 売掛金(資産) 未収入金(資産)
まだ払っていない代金 買掛金(負債) 未払金(負債)
※「商品以外」とは…土地・備品などの固定資産、有価証券、消耗品などのこと。

商品なら売掛金・買掛金、商品以外なら未収入金・未払金。見分けるポイントは「何を売り買いしたか」だね。

そのとおり。土地・備品などの固定資産、有価証券、消耗品…商品以外を売り買いしたら未収入金・未払金。コツがつかめたか、確認問題で試してみよう。

確認問題

それでは6問で確認してみよう。空欄をタップすると答えが出るよ。「商品か、商品以外か」を毎回考えてね。問5は見分け、問6は発展問題(できなくても大丈夫)。全部開くと解説リンクが出てくるよ。

問1 商品以外のものを売ったとき

問1
当社は、帳簿価額400,000円の土地を400,000円で売却し、代金は月末に受け取ることにした。このときの仕訳をしなさい。
借方(左)金額貸方(右)金額
💡 ヒント:売ったのは商品かな、それとも商品以外かな。何を売ったかで使う科目が変わるよ。
📖 固定資産(土地・備品など)の解説はこちら → 【簿記3級・026】固定資産(前編)減価償却の計算と仕訳をやさしく解説

問2 代金を回収したとき

問2
問1の未収入金400,000円について、月末に現金で受け取った。このときの仕訳をしなさい。
借方(左)金額貸方(右)金額
💡 ヒント:売ったときに増やしたものは、回収したらどうなるかな?
📖 固定資産(土地・備品など)の解説はこちら → 【簿記3級・026】固定資産(前編)減価償却の計算と仕訳をやさしく解説

問3 商品以外のものを買ったとき

問3
当社は、備品600,000円を購入し、代金は月末に支払うことにした。このときの仕訳をしなさい。
借方(左)金額貸方(右)金額
💡 ヒント:買ったのは商品かな、それとも商品以外かな。問1と同じ見分け方だよ。
📖 固定資産(土地・備品など)の解説はこちら → 【簿記3級・026】固定資産(前編)減価償却の計算と仕訳をやさしく解説

問4 代金を支払ったとき

問4
問3の未払金600,000円について、月末に現金で支払った。このときの仕訳をしなさい。
借方(左)金額貸方(右)金額
💡 ヒント:買ったときに増やした義務は、払ったらどうなるかな?
📖 固定資産(土地・備品など)の解説はこちら → 【簿記3級・026】固定資産(前編)減価償却の計算と仕訳をやさしく解説

問5 商品を掛けで売ったとき(見分け問題)

問5
当社は、商品350,000円を売り上げ、代金は月末に受け取ることにした。このときの仕訳をしなさい。
借方(左)金額貸方(右)金額
💡 ヒント:今回売ったのは商品かな、商品以外かな。それによって使う科目が変わるよ。

問6 土地を帳簿価額より高く売ったとき(発展)

問6(発展)
当社は、帳簿価額300,000円の土地を350,000円で売却し、代金は月末に受け取ることにした。このときの仕訳をしなさい。
借方(左)金額貸方(右)金額
💡 ヒント:売った金額と帳簿価額がちがうとき、その差額はどうなったかな。固定資産を売ったときのことを思い出そう。
📖 固定資産の売却(売却損益)の解説はこちら → 【簿記3級・027】固定資産(後編)売却と資本的支出をやさしく解説

問6の固定資産売却益、久しぶりでドキッとしたよ。土地を高く売った差額はこの科目だったね。復習になってよかったよ。

その調子!商品なら売掛金・買掛金、商品以外なら未収入金・未払金。差額が出たら売却損益も思い出せれば完璧だよ。

まとめ

未収入金・未払金のポイント

未収入金(資産):商品以外のものを売って、あとで受け取れる代金(権利)。

未払金(負債):商品以外のものを買って、あとで払う代金(義務)。

・売掛金・買掛金との見分けは「商品か、商品以外か」だけ。商品なら売掛金・買掛金、土地・備品などの固定資産や有価証券・消耗品といった商品以外なら未収入金・未払金を使う。

売掛金・買掛金とそっくりだけど、「商品か商品以外か」で見分ければいいんだね。すんなり覚えられたよ!

それはよかった。

次回は仮払金(かりばらいきん)・仮受金(かりうけきん)について学ぼう。金額や中身がまだはっきりしないお金を、一時的に処理しておくための科目だよ。

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生きることが不安でたまらなかった私が
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