【簿記3級・016】費用の勘定科目と仕訳をやさしく解説(後編)
この記事でわかること
前回は費用の勘定科目と基本の仕訳パターンを学びました。
今回はその続きです。少し応用的なテーマを4つに分けて解説していきます。
前に学んだ決算の考え方も活きてきますよ。
振込手数料の仕訳

銀行振込でお金を支払うとき、銀行に「振込手数料」がかかることがあるよ。
実は、この手数料を誰が負担するかによって仕訳が変わってくるんだ。

誰が負担するの?

自分か、相手かのどちらかだね。
つまり「当社負担」か「先方負担」かになるってことだよ。

「当社負担」は当社が手数料を払う。だから手数料分を「支払手数料」に仕訳するんだ。
「先方負担」は相手(受取側)が手数料を負担してくれるんだ。だから当社は元々振り込む予定だった金額分だけを振り込めばOK。
当社は手数料を支払わないから、手数料の仕訳は発生しないよ。
当社負担の場合
| 借方(左) | 金額 | 貸方(右) | 金額 |
|---|---|---|---|
| 買掛金 | 50,000 | 普通預金 | 50,440 |
| 支払手数料 | 440 |
先方負担の場合
| 借方(左) | 金額 | 貸方(右) | 金額 |
|---|---|---|---|
| 買掛金 | 50,000 | 普通預金 | 50,000 |

先方負担は「支払手数料」が出てこないだけで、あとは普通の支払いと同じなんだね。

そうなんだよ。
「誰が負担するか」を問題文でしっかり確認するのがポイントだよ。
「当社負担 → 支払手数料を計上する」「先方負担 → 計上しない」と覚えておこう。
決算時の振替処理(資産の勘定科目「貯蔵品」)

切手やハガキ、収入印紙とかもね、購入時に費用計上するんだ。
でも決算日にまだ使っていない分が残っていたら? それは「今期の費用」じゃなくて「来期に使う資産」だから、「貯蔵品」として決算で振り替える必要があるんだ。

決算で費用を資産にするって前に教えてもらったやつだね!


でも「貯蔵品」は初めて聞いたね。
どんな科目なの?

貯蔵品は、切手・はがき・収入印紙など「まだ使っていない消耗品・証票類」をまとめておく資産の勘定科目だよ。
決算で「使っていない分だけ費用から資産に戻す」という処理をするんだ。
通信費 → 貯蔵品への振替

切手・はがきは購入時に「通信費」で処理するよ。決算で未使用分が残っていたら「貯蔵品」に振り替えるよ。
| 借方(左) | 金額 | 貸方(右) | 金額 |
|---|---|---|---|
| 通信費 | 1,000 | 現金 | 1,000 |
| 借方(左) | 金額 | 貸方(右) | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貯蔵品 | 300 | 通信費 | 300 |
租税公課 → 貯蔵品への振替

租税公課は、固定資産税・自動車税・収入印紙(印紙税)などの税金・公的な負担金を処理する勘定科目だよ。
なかでも収入印紙は、切手と同じように決算で未使用分が残っていたら「貯蔵品」に振り替えるよ。
| 借方(左) | 金額 | 貸方(右) | 金額 |
|---|---|---|---|
| 租税公課 | 2,000 | 現金 | 2,000 |
| 借方(左) | 金額 | 貸方(右) | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貯蔵品 | 800 | 租税公課 | 800 |

切手は「通信費」、収入印紙は「租税公課」って、購入時の科目が違うんだね。でも決算時の振替先はどちらも「貯蔵品」で同じなんだ!

そうそう。振替のパターンは「費用 → 貯蔵品」で統一されているよ。購入時の科目が何だったかを覚えておけば、あとは同じ手順で処理できるよ。
領収書・請求書からの仕訳

簿記3級の実際の試験では、「領収書」や「請求書」の画像を見て、そこから仕訳を起こす問題が出ることがあるよ。
難しそうに見えるけど、読み取るポイントは決まっているよ。一つずつ確認しよう。

えっと…りょ…領収書?請求書とは別モノ??

領収書は代金を支払ったことを証明する書類で、請求書は取引先に代金の支払いを求めるための書類だよ。支払期日や支払い方法が書いてあるよ。
領収書から仕訳を起こす

領収書で確認すべきポイントはここだよ。
| 但し | :事務用品代として |
| 内訳 | :本体価格 3,000円 消費税 300円 |
- 金額:3,300円(消費税込みの合計額で仕訳する)
- 品目:事務用品 → 勘定科目「消耗品費」
- 支払方法:問題文を確認しよう
| 借方(左) | 金額 | 貸方(右) | 金額 |
|---|---|---|---|
| 消耗品費 | 3,300 | 現金 | 3,300 |
請求書から仕訳を起こす

請求書では「何のサービスに対する請求か」と「支払い方法」を確認しよう。
| 宛先 | :□□株式会社 御中 |
| 品目 | :インターネット回線使用料 |
| 金額 | :5,500円(消費税込み) |
| 支払期日 | :〇月〇日まで |
| 振込先 | :△△銀行 普通 1234567 |
- 金額:5,500円(消費税込みの合計額で仕訳する)
- 品目:インターネット回線使用料 → 勘定科目「通信費」
- 支払方法:問題文を確認しよう
| 借方(左) | 金額 | 貸方(右) | 金額 |
|---|---|---|---|
| 通信費 | 5,500 | 普通預金 | 5,500 |

「但し書き」とか「品目」を見て勘定科目を判断するんだね。難しそうだけど、費用の科目を覚えていればなんとかなりそう!

そう!「事務用品・文具 → 消耗品費」「通信・電話・インターネット → 通信費」「電気・ガス・水道 → 水道光熱費」という対応を覚えておくと素早く判断できるよ。
練習問題で確認しよう

仕訳の?のセルをタップ(クリック)すると答えが出るよ。勘定科目と金額を両方考えてから確認しよう。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| ? | ? | ? | ? |
| ? | ? |
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| ? | ? | ? | ? |
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| ? | ? | ? | ? |
【領収書より】 品目:コピー用紙代 金額:2,200円(消費税込み)
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| ? | ? | ? | ? |

租税公課って全然知らなかったけど、練習問題を繰り返してたらなんとなく覚えてきたかも。

仕訳はひたすら練習あるのみ!
あまり馴染みのない勘定科目も、練習することで身近になって覚えられるよ。
地道に頑張ろう。
まとめ
・振込手数料は「当社負担 → 支払手数料を計上」「先方負担 → 計上しない」
・切手・はがきは購入時に「通信費」、収入印紙は購入時に「租税公課」で処理する
決算時の振替まとめ
① 未使用の切手・はがきが残った → (借)貯蔵品 / (貸)通信費
② 未使用の収入印紙が残った → (借)貯蔵品 / (貸)租税公課
どちらも「費用 → 貯蔵品」のパターンで処理する
・領収書・請求書からの仕訳:「品目 → 勘定科目」「支払方法 → 貸方科目」「消費税込みの合計額 → 金額」を読み取る

費用の計上はこれで一通り終わりだよ。お疲れさまでした!
次回からは商品売買の仕訳に入っていくよ。簿記3級の重要なテーマの一つだから、しっかり準備していこうね。

