簿記3級

【簿記3級・017】商品売買ってどう仕訳するの?三分法の基本をやさしく解説

はるり

この記事でわかること

前回は費用の勘定科目(後編)として、支払手数料・租税公課・貯蔵品の仕訳を学びました。

今回からは商品売買のテーマに入ります。「商品を仕入れて・売る」という商業の基本を、簿記ではどのように記録するかを一緒に確認していきましょう。

  • 三分法で使う3つの勘定科目(仕入・売上・繰越商品)がわかります
  • 仕入時・販売時の基本的な仕訳ができます
  • 決算時に売上原価を求める「しいくり・くりしい」の仕訳がわかります

商品売買の処理

商業を営む会社は、商品を安く買って(仕入れて)、高く売ることで利益を得るよ。

この「仕入→販売」の流れを、簿記では3つの勘定科目を使って記録するよ。この方法を三分法というんだ。

3つの勘定科目って、どんなものを使うの?

三分法で使う3つの勘定科目

三分法では次の3つの勘定科目を使うよ。

勘定科目 分類 どんなときに使う?
仕入 費用 商品を仕入れたとき(購入したとき)に使う。
売上 収益 商品を販売したとき(売ったとき)に使う。
繰越商品 資産 期末・期首に、売れ残った在庫の金額を記録するときに使う。

「繰越商品」って初めての科目だね。

「繰越商品」は期末(決算時)に売れ残った在庫を記録しておくための科目だよ。期中は使わなくて、決算のときだけ登場するよ。これについては後で詳しく説明するね。

期首・期中・期末については下の記事で勉強したね。
不安なら読み返してみてね。

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仕入時・販売時の仕訳

仕入時の仕訳

商品を仕入れたときは、借方(左)に「仕入」を書くよ。支払方法(現金・小切手など)が貸方(右)に来るよ。

例題① 商品を現金で仕入れた
商品30,000円を現金で仕入れた。
借方(左)金額貸方(右)金額
仕入 30,000 現金 30,000
✏️ 「仕入」は費用の科目。商品を買ったコストを借方に記録するよ。

販売時の仕訳

商品を販売したときは、貸方(右)に「売上」を書くよ。受け取った手段(現金など)が借方(左)に来るよ。

例題② 商品を現金で売った
商品(仕入原価50,000円)を70,000円で現金販売した。
借方(左)金額貸方(右)金額
現金 70,000 売上 70,000
✏️ 三分法では、売るときに原価(50,000円)を気にしなくていい。「受け取った金額=売上」として貸方に記録するだけでOKだよ。

売るときに「いくらで仕入れたのか(30,000円)」は仕訳に出てこないんだね!

そう!三分法では「何円で売ったか(売上)」だけを記録するよ。「いくらで仕入れたか(原価)」は、期末の決算でまとめて計算するんだ。

決算時の仕訳(売上原価の計算)

決算時には「実際にいくら分の商品が売れたか(=売上原価)」を計算する必要があるよ。売上原価は次の計算式で求めるよ。

期首繰越商品
前期の在庫
当期仕入高
今期の仕入
期末繰越商品
今期の在庫
売上原価
実際に売れた分のコスト

「前期から持ち越した在庫+今期に仕入れた分」から「今期末に残った在庫」を引いた金額が、今期実際に売れた商品のコスト(売上原価)だよ。

上の式を図にすると下のようになるよ。

仕入れた商品の原価(合計)
売れた分 + 残った在庫
当期の仕入
今期に仕入れた商品
前期の在庫
期首繰越商品
しいくり:仕入 / 繰越商品
今期の在庫
期末繰越商品
くりしい:繰越商品 / 仕入
売上原価
仕入勘定の残高

つまり、持ってた分と追加した分から、今期残った商品を差し引いたら売れた分がわかるんだね。
でも、仕訳はどういうふうになるの?

決算時には2つの仕訳をセットで行うよ。この2つをまとめて「しいくり・くりしい」と呼ぶよ。

「しい(仕入)」「くり(繰越商品)」「くり(繰越商品)」「しい(仕入)」の頭文字を並べたもので、そのまま仕訳のパターンになっているんだ。

決算仕訳①:期首繰越商品を仕入に振り替える

資産や費用には、決算のときに調整が必要なものがあるってお話したことを覚えているかな?

えっと、資産にしてたけど使って減っちゃった分があれば、費用として調整することがあるって言ってたよね。

費用も、使わなかった分があれば資産として調整するって言ってた。

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しっかり覚えてたね。

仕入れた商品も期末まで残った場合、同じように調整するんだ。

仕入(費用)の使わなかった分を繰越商品(資産)に振り替えるんだよ。

そうすると次の期首には、前期から持ち越した在庫(繰越商品)があるよね。
これを「仕入」勘定に移すことで、費用に戻すよ。

例題③ 決算仕訳①(「しいくり」の部分)
決算にあたり、期首の繰越商品(40,000円)を仕入勘定に振り替えた。
借方(左)金額貸方(右)金額
仕入 40,000 繰越商品 40,000
✏️ 前期から持ち越した在庫を「今期のコスト(仕入)」として加える仕訳。「しい(仕入)くり(繰越商品)」の順で書くよ。

決算仕訳②:期末繰越商品を振り替える

期末に売れ残った在庫は「繰越商品」として記録して、「仕入」から取り除くよ。

さっき言ってた期末の調整の部分だね。

例題④ 決算仕訳②(「くりしい」の部分)
決算にあたり、期末の商品在庫(20,000円)を繰越商品に振り替えた。
借方(左)金額貸方(右)金額
繰越商品 20,000 仕入 20,000
✏️ 売れ残った在庫は今期の費用ではないため、仕入から除いて「繰越商品」に移す。「くり(繰越商品)しい(仕入)」の順で書くよ。

③と④って、借方と貸方がちょうど逆になってるんだね。

よく気づいたね!この2つの仕訳が終わると、「仕入」勘定の残高がそのまま売上原価になるよ。

例題の数字で確認すると、期首繰越商品40,000円(例題③)+当期仕入高30,000円(例題①)-期末繰越商品20,000円(例題④)=売上原価50,000円だよ。

練習問題で確認しよう

仕訳の?のセルをタップ(クリック)すると答えが出るよ。勘定科目と金額を両方考えてから確認しよう。

問題①
商品20,000円を現金で仕入れた。
借方金額貸方金額
タップして答えを確認しよう。
問題②
商品を45,000円で現金販売した。
借方金額貸方金額
タップして答えを確認しよう。
問題③
決算にあたり、期首の繰越商品(6,000円)を仕入勘定に振り替えた。
借方金額貸方金額
「しいくり」の仕訳。期首在庫を今期のコスト(仕入)に加えるよ。
問題④
決算にあたり、期末の商品在庫(9,000円)を繰越商品に振り替えた。
借方金額貸方金額
「くりしい」の仕訳。売れ残りを仕入から除いて繰越商品に移すよ。

問題③と④、「しいくり・くりしい」って唱えながらやったら覚えやすかった!

そう!「しいくり・くりしい」は試験でも使えるから、ぜひ声に出して覚えてみて。借方と貸方が逆になるパターンを体で覚えるのがポイントだよ。

まとめ

三分法のポイント

・三分法では仕入(費用)・売上(収益)・繰越商品(資産)の3科目を使う

・仕入時 → 借方「仕入」  販売時 → 貸方「売上」

・三分法では、販売時に原価を記録しない。原価は決算でまとめて計算する

決算時の2つの仕訳「しいくり・くりしい」

① 仕入 / 繰越商品(期首の在庫を仕入に振替) ←「しいくり」

② 繰越商品 / 仕入(期末の在庫を繰越商品に振替) ←「くりしい」

この2つの後、仕入勘定の残高=売上原価になる

次回は商品売買の続きとして、掛取引(売掛金・買掛金)について学んでいくよ。

「後払い・後受け」のしくみを仕訳でどう表すかを一緒に確認していこう。

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【簿記3級・016】費用の勘定科目と仕訳をやさしく解説(後編)
【簿記3級・016】費用の勘定科目と仕訳をやさしく解説(後編)
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