【簿記3級・011】利益が出ると純資産(資本)が増える!貸借対照表と損益計算書の関係をやさしく解説
この記事でわかること
今回は前回ご案内した予定を変更して、貸借対照表と損益計算書を深堀りしていきます。
「利益が出たら純資産が増える」って聞いたけど、なぜ?
貸借対照表と損益計算書が「つながっている」って、どういうこと?
この記事では以前説明したところの振り返りも行いながら、その仕組みをやさしく解説します。1日の家計の動きを例に、朝・今日1日・夜の順に読み進めれば、2つの表の関係が自然と頭に入ってきます。
また、新しい知識となる会計期間についても詳しく説明していきます。一緒に学んでいきましょう。
決算について知るために貸借対照表と損益計算書を深堀りしよう

前回、費用や収益のグループについて見ていこうとお伝えしたね。
だけどその前に貸借対照表と損益計算書について、もう少し詳しく説明するね。

へ〜、なんでなんで?

先に決算について知っておいてほしいんだ。
そのために、もう少し貸借対照表と損益計算書を深堀りしたくてね。

貸借対照表と損益計算書って、前にちょっと出てきたよね。


たしか、貸借対照表は会社のお財布事情である財政状態が分かる表で、損益計算書は会社の経営成績が分かる成績表のことだったね。

よく覚えていたね!
今日はその2つの表が、実はつながってるってことを学ぶよ。

え?つながってるの?どういうこと??

一言で言うと、「損益計算書で出た利益は、貸借対照表の純資産(資本)を増やす」んだ。

わかりやすくするために、こんなルールで説明するね。
・勘定科目は使わないよ
・グループとして捉えてお話するよ
・会計期間は1日だよ

会計期間っていうのは、計算するための区切りのことだよ。
普通は1年間であることが多いんだ。
今日1日を会計期間として考えてみよう

こんな感じで表を作っていくよ。
・朝の貸借対照表
・今日の損益計算書
・夜の貸借対照表

朝と夜に貸借対照表が出てきた!
1日1回じゃないんだね。

そうなんだ。
朝と夜では財政状態が違うから、それぞれ作ってみるよ。
①朝の貸借対照表

まずは朝を例に、貸借対照表の作りを見てみよう。
資産を借方に、負債と純資産を貸方に書いていくんだ。
純資産は資本とも呼ばれるよ。
借方と貸方は必ず一致するよ。
貸借対照表は一定時点の状態を記録するよ。だから朝お財布を開いたその時はどうだったか、その瞬間を切り取るんだ。
| 🌅 貸借対照表(朝) | |
| 資産の部 | 負債・純資産(資本)の部 |
| 資産 5,000 | 負債 0 |
| 純資産(資本) 5,000 | |
| 合 計 5,000 | 合 計 5,000 |

今5,000円を持っている。借金はなくて、負債は0だ。
そうすると純資産(資本)は5,000円になるよ。

借方と貸方は一致するもんね。

そうなんだ。
だから純資産(資本)=資産ー負債で計算できるんだよ。
②今日1日分の損益計算書

貸借対照表が一定時点を切り取る帳票なら、損益計算書は期間をまとめる帳票だよ。
今回の期間は今日1日だったね。
借方に費用を、貸方に収益を書いていくよ。

今日はお休みで、2,000円のランチを食べに行ったよ。
ランチは食費、費用だよ。
そして実はお給料日だったんだ。100,000円の給与は収益だよ。

ここで注意点がひとつ。
この説明は個人のお財布を例にしているよ。
だから給料を収益として説明したけれど、会社の簿記では給与は社員に支払う費用になるから注意してね。
| ☀️ 損益計算書(今日) | |
| 費用の部 | 収益の部 |
| 食費 2,000 | 給与 100,000 |
| 当期純利益 98,000 | |
| 合 計 100,000 | 合 計 100,000 |

この当期純利益ってなぁに?

収益と費用の差額のことだよ。
当期、つまり今日一日の会計期間の中で出た利益のことだね。
③夜の貸借対照表

では夜の貸借対照表を見てみよう。
ポイントは、損益計算書が与える影響だよ。
| 🌙 貸借対照表(夜) | |
| 資産の部 | 負債・純資産(資本)の部 |
| 資産 103,000 | 負債 0 |
| 朝の純資産(資本) 5,000 | |
| +当期純利益 98,000 | |
| 合 計 103,000 | 合 計 103,000 |

負債・純資産(資本)の部に、当期純利益が増えてるね。

そうなんだ!
利益は純資産(資本)を増やす

貸借対照表と損益計算書のつながりがここだよ。
損益計算書ででた当期純利益が加わって、貸借対照表の純資産(資本)が増えるんだ。
今回はわかりやすくするために朝の純資産(資本)と当期純利益に分けて書いたけど、実際は「純資産(資本) 103,000」と記入するよ。

今日は収益が費用より大きかったから利益が出たけど、逆の場合は損失になって純資産(資本)が減るんだ。

ふむふむ、損益計算書の利益や損失が、貸借対照表の純資産(資本)に影響を与えるのかー。

そして損益計算書の利益を見れば、純資産(資本)がどれだけ増えたか丸わかりなんだね。

そのとおり。だからこの2つの書類をセットで見ることで、会社のお金の流れが全部わかるんだよ。

この流れをまとめるとこの様になるよ。
| 資産の部 | 負債・純資産の部 |
| 資産 5,000 | 負債 0 |
| 純資産 5,000 | |
| 合計 5,000 | 合計 5,000 |
| 費用の部 | 収益の部 |
| 食費 2,000 | 給与 100,000 |
| 当期純利益 98,000 | |
| 合計 100,000 | 合計 100,000 |
純資産に加わる
| 資産の部 | 負債・純資産の部 |
| 資産 103,000 | 負債 0 |
| 純資産 103,000 | |
| 合計 103,000 | 合計 103,000 |
期首・期中・期末とは

さて、今回の会計期間は1日で考えたけど、実際は1年間だよ。
この1年間を3つの言葉で呼び分けるんだ。
当期の最初の日
期首から期末までの間(日々の取引が行われる期間)
当期の最後の日。決算を行う日

例えば4/1〜3/31までが会計期間なら、こうなるよ。
・期首→4/1
・期中→4/1〜翌3/31
・期末→3/31
そして現在進行中の会計期間を当期と呼ぶんだ。

さっきの「朝・今日・夜」が、「期首・期中・期末」に対応してるんだね。

完璧!そのとおりだよ。

そして期末にコッソリ決算って出てきてる!

そうなんだ。
決算については、もう少し深堀りを進めてからまた説明するからね。

めっちゃ掘ってる!
まとめ
期間の呼び方
・貸借対照表は一定時点(期首・期末)の財政状態を表す
・損益計算書は一定期間(期中)の収益・費用・利益を表す
・損益計算書の利益は、貸借対照表の純資産(資本)を増やす
覚えておきたい公式
期末純資産(資本)=期首純資産(資本)+当期純利益

次回は「5つの大切な公式と練習問題」を学んでいくよ。
今日学んだ関係を式で整理する方法を伝えるね。仕上げに問題を解いて確認していこう。

