簿記3級

【簿記3級・036】消費税の仕訳をやさしく解説

はるり

この記事について

前回は法人税等(ほうじんぜいとう)として、会社の利益にかかる税金を「仮に払って、決算で確定して、あとで納付する」流れで処理することを学びました。

今回は消費税(しょうひぜい)について学びます。お買い物でおなじみの税金ですが、帳簿の上では、仮払金・仮受金から続く「仮」の科目がまたまた大活躍します。法人税等とそっくりな流れの「消費税版」として学んでいきましょう。

  • 会社が消費税を「預かって納める」しくみと、税抜方式(ぜいぬきほうしき)がわかります
  • 仕入れたとき(仮払消費税)・売り上げたとき(仮受消費税)・中間納付したとき、それぞれの仕訳ができます
  • 決算で納付額を確定させて(未払消費税)、納付するまでの仕訳ができます

消費税とは

消費税なら知ってるよ!お買い物のときに払う、あの税金でしょ?

そのとおり。消費税は、国内での商品やサービスの消費に対してかかる税金だよ。じゃあ質問。ぴよがコンビニで払った消費税は、だれが国に納めていると思う?

え、ぼくが払ってるんだから、ぼく…じゃないの?

じつは、実際に納めているのはお店(会社)のほうなんだ。役割がこう分かれているよ。

  • 消費税を負担する人…商品を買った消費者(お客さん)
  • 消費税を納める人…商品を売った会社(お店)

※海外に輸出されるものや、土地の売買のように「消費」されないものには、消費税はかからないよ。

会社は、お客さんから預かった消費税を代わりに納めてるんだね。

そういうこと。ただ、会社も商品を仕入れるときには、消費税を払う側になる。だから帳簿では「払った消費税」と「預かった消費税」の両方を記録するんだ。

あ、また「仮」の科目が出てくる予感…!

鋭いね。納める金額が確定するのは決算のとき。それまでは仮払消費税・仮受消費税という「仮」の科目で置いておくんだ。全体の流れを図で見てみよう。

📝 消費税の5つの場面
① 仕入れたとき(期の途中)商品を仕入れて、消費税を上乗せして払う→ 仮払消費税(かりばらいしょうひぜい・資産)で仮に記録
② 売り上げたとき(期の途中)商品を売り上げて、消費税を上乗せして受け取る→ 仮受消費税(かりうけしょうひぜい・負債)で仮に記録
③ 中間納付(期の途中)前の年の消費税が多かった会社は、見込みの分を先に納める→ これも仮払消費税(資産)で仮に記録
④ 納付額の確定(決算)ここが中心!預かった分から払った分を差し引いて、納める金額が確定する ※確定=すぐ支払い、ではない→ 差額を未払消費税(みばらいしょうひぜい・負債)に
⑤ 確定申告・納付(決算のあと)税務署に申告して、確定した消費税を納める→ 未払消費税を減らして精算完了
「期の途中は仮の科目で置いておいて、決算で精算する」——前回の法人税等とそっくりな流れだよ。
※納める金額が確定しても、その場ですぐ納めるわけではないよ。決算のあとに税務署へ申告してから納める(納付の期限は決算日の翌日から2か月以内)。

①〜③で仮に置いて、④⑤で精算…ほんとに法人税等と同じ流れだ!

そのとおり。仮払金・仮受金から続く「仮」の仲間の集大成だよ。それじゃあ①の仕入れの場面から、順番に仕訳を見ていこう。

商品を仕入れたとき

商品を仕入れると、本体の代金に消費税を上乗せして払うよね。このとき、本体は仕入、消費税分は仮払消費税に分けて記録するんだ。この分けて記録するやり方を税抜方式(ぜいぬきほうしき)というよ。

あれ?前に領収書から仕訳したときは、消費税込みの合計額のまま記録してたよね?分けなくてよかったの?

いいところに気づいたね。消費税を分けて記録するのは、問題文に「消費税は税抜方式で処理している」という指示があるときだよ。指示がなければ、今までどおり合計額で仕訳すればOK。問題文をしっかり確認しようね。

例題① 商品を仕入れたとき
当社は、商品40,000円を仕入れ、消費税4,000円(税率10%)とあわせて44,000円を現金で支払った。なお、消費税は税抜方式で処理している。
借方(左)金額貸方(右)金額
仕入 40,000 現金 44,000
仮払消費税 4,000
計算:40,000円(本体価格)× 10%= 4,000円(消費税)/ 支払額は40,000円+4,000円= 44,000円
✏️ ポイントは、本体の40,000円だけを仕入(費用)にして、消費税4,000円は仮払消費税(資産)に分けておくこと。納める金額が決算で確定するまでの、一時的な置き場所だよ。

払った消費税は、費用じゃなくて資産になるんだね。ちょっと不思議…。

払った消費税は、あとで納める金額から差し引ける「先払い分」だからね。決算で精算するまで仮に置いておく、というのは仮払金と同じ考え方だよ。次は売り上げる場面を見てみよう。

商品を売り上げたとき

売り上げたときは反対に、お客さんから消費税を上乗せして受け取るよ。本体は売上、消費税分は仮受消費税に分けて記録するんだ。

例題② 商品を売り上げたとき
当社は、商品を70,000円で売り上げ、消費税7,000円(税率10%)とあわせて77,000円を現金で受け取った。なお、消費税は税抜方式で処理している。
借方(左)金額貸方(右)金額
現金 77,000 売上 70,000
仮受消費税 7,000
計算:70,000円(本体価格)× 10%= 7,000円(消費税)/ 受取額は70,000円+7,000円= 77,000円
✏️ ポイントは、本体の70,000円だけを売上(収益)にして、消費税7,000円は仮受消費税(負債)に分けておくこと。お客さんから預かった、あとで納める分だよ。

受け取った消費税は、売上に入れちゃダメなんだね。

そう、これは会社のもうけではなく、納めるまでの預かりものだからね。だから負債になるんだ。次は、期の途中で税金を先に納める場面だよ。

中間納付したとき

じつは消費税にも、法人税等で学んだ中間納付があるんだ。前の年の消費税が多かった会社は、期の途中で見込みの分を先に納めるよ。

例題③ 中間納付したとき
当社は、消費税の中間納付として2,000円を現金で納付した。なお、消費税は税抜方式で処理している。
借方(左)金額貸方(右)金額
仮払消費税 2,000 現金 2,000
✏️ ポイントは、中間納付した分も仮払消費税(資産)に入れること。仕入れのときに払った分と同じ置き場所に、決算までまとめて置いておくよ。

これも仮払消費税なんだ。仕入れのときと同じ科目でいいんだね。

そのとおり。「先に払った消費税」は、まとめて仮払消費税に集めておくんだ。次は決算で、納める金額を確定させよう。

決算で納付額が確定したとき

決算では、預かった消費税から払った消費税を差し引いて、納める金額を計算するんだ。ここが今回いちばんの山場だよ。

あれ、預かった分をぜんぶ納めるんじゃないの?

仕入れで払った分と中間納付した分は、もう先に払いずみだからね。その分を差し引いた残りだけ納めればいいんだ。例題で見てみよう。

例題④ 決算で納付額が確定したとき
決算にあたり、消費税の納付額を計算する。なお、仮払消費税の残高は6,000円(仕入分4,000円+中間納付分2,000円)、仮受消費税の残高は7,000円である(税抜方式)。
借方(左)金額貸方(右)金額
仮受消費税 7,000 仮払消費税 6,000
未払消費税 1,000
計算:7,000円(仮受消費税・預かった分)− 6,000円(仮払消費税・払った分=仕入4,000円+中間納付2,000円)= 1,000円(納める金額)
✏️ ポイントは、仮受消費税と仮払消費税を両方とも全額消して、差額を未払消費税(負債)にすること。これで納める金額が確定するよ。

「仮」の2つが両方消えて、未払消費税だけが残ったね。

そのとおり。未払消費税は「これから納める確定した金額」。前回の未払法人税等と同じ役割だよ。最後は、これを納める場面だね。

納付したとき(決算のあと)

消費税も法人税等と同じように、決算のあとに確定申告をして納めるんだ。仕訳はシンプルだよ。

例題⑤ 納付したとき
確定申告を行い、例題④で計上した未払消費税1,000円を現金で納付した。
借方(左)金額貸方(右)金額
未払消費税 1,000 現金 1,000
✏️ ポイントは、納付したら未払消費税(負債)を減らすこと。これで仮払も仮受も未払もなくなって、精算完了だよ。

仮に置いて、決算で相殺して、残りを納めて…5つの場面がひとつの流れになってるんだね。

そういうこと。5つの場面を表で整理しておこう。

5つの場面を整理しよう

① 仕入れたとき② 売り上げたとき③ 中間納付④ 決算⑤ 納付
いつ 期の途中 期の途中 期の途中 決算日 決算のあと
すること 消費税を上乗せして払う 消費税を上乗せして受け取る 見込みの分を先に納める 納める金額が確定する 確定した消費税を納める
使う科目 仮払消費税(資産)が増える 仮受消費税(負債)が増える 仮払消費税(資産)が増える 仮受・仮払を相殺して、差額を未払消費税(負債)に 未払消費税が減る
※「期の途中は仮で記録して、決算で精算する」流れは法人税等と同じ。「仮」の科目の基本は仮払金・仮受金でおさらいできるよ。

「預かった分から払った分を引いて、残りを納める」って考えたら、スッキリした!

その調子。コツがつかめたか、確認問題で試してみよう。

確認問題

それでは6問で確認してみよう。空欄をタップすると答えが出るよ。問6は前回学んだ税金の流れを思い出す発展問題。全部開くと解説リンクが出てくるよ。

問1 商品を仕入れたとき

問1
当社は、商品50,000円を仕入れ、消費税5,000円(税率10%)とあわせて55,000円を現金で支払った。なお、消費税は税抜方式で処理している。このときの仕訳をしなさい。
借方(左)金額貸方(右)金額
💡 ヒント:税抜方式では、本体と消費税を分けて記録するんだったね。払った消費税は、どの科目に置いておくんだったかな。

問2 商品を売り上げたとき

問2
当社は、商品を90,000円で売り上げ、消費税9,000円(税率10%)を含めた99,000円を掛けとした。なお、消費税は税抜方式で処理している。このときの仕訳をしなさい。
借方(左)金額貸方(右)金額
💡 ヒント:受け取る消費税は売上に入れずに分けておくよ。あとで納める預かりものは、資産と負債のどちらだったかな。

問3 中間納付したとき

問3
当社は、消費税の中間納付として3,000円を現金で納付した。このときの仕訳をしなさい。
借方(左)金額貸方(右)金額
💡 ヒント:期の途中で、見込みの分を先に納めた場面だね。先に払った消費税は、どの置き場所に集めるんだったかな。
📖 中間納付の流れ(法人税等)の解説はこちら → 【簿記3級・035】法人税等(ほうじんぜいとう)の仕訳をやさしく解説

問4 決算で納付額が確定したとき

問4
問1〜問3について、決算にあたり消費税の納付額を計算する。なお、仮払消費税の残高は8,000円、仮受消費税の残高は9,000円である(税抜方式)。このときの仕訳をしなさい。
借方(左)金額貸方(右)金額
💡 ヒント:預かった分から払った分を差し引こう。残った「これから納める分」は、どの科目にするんだったかな。
📖 「仮」の科目の考え方(仮払金・仮受金)の解説はこちら → 【簿記3級・034】仮払金・仮受金をやさしく解説

問5 納付したとき

問5
問4について、確定申告を行い、未払消費税1,000円を当座預金口座から納付した。このときの仕訳をしなさい。
借方(左)金額貸方(右)金額
💡 ヒント:納付したら「これから納める分」を消すよ。負債が減るときは、借方・貸方のどちらだったかな。

問6 法人税等の決算(発展)

問6(発展)
当社は、決算にあたり当期の法人税等180,000円を計上する。なお、期中に80,000円を中間納付しており、仮払法人税等として処理している。このときの仕訳をしなさい。
借方(左)金額貸方(右)金額
💡 ヒント:消費税と流れはそっくりだよ。確定した1年分のうち、納付ずみの分と、まだ納めていない分に分けて考えよう。

問6は前回の復習だったんだね。消費税と流れが同じだから、すんなり解けたよ!

すばらしい。税金の仕訳は「期の途中は仮の科目、決算で確定、あとで納付」という同じ型でつながっているんだ。型ごと覚えると忘れにくいよ。

まとめ

消費税のポイント

消費税:負担するのは消費者、納めるのは会社。簿記3級では、本体価格と消費税を分けて記録する税抜方式で処理する。

5つの場面:①仕入=払った消費税を仮払消費税(資産)に ②売上=預かった消費税を仮受消費税(負債)に ③中間納付=先に納めた分も仮払消費税に ④決算=相殺して差額を未払消費税(負債)に ⑤納付=未払消費税を減らす。

・「期の途中は仮の科目で置いておき、決算で精算する」のは、仮払金・仮受金や法人税等と同じ考え方。納める金額は「預かった分 − 払った分」で計算する。

身近な消費税も、帳簿の上では「仮に置いて、決算で精算」だったんだね。「仮」の仲間はもうバッチリだよ!

それはよかった。

次回は立替金(たてかえきん)・預り金(あずかりきん)について学ぼう。従業員の給料を支払うときに出てくる、立て替えたお金・預かったお金の処理だよ。今回の「預かって、あとで納める」考え方が、ここでも登場するんだ。

前の記事はこちら
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生きることが不安でたまらなかった私が
ちょっとでも明るい明日になりますようにと学び始めた簿記やFPについての知識をまとめています。

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