簿記3級

【簿記3級・009】当座預金ってなに?小切手の仕訳をやさしく解説

はるり

この記事について

前回は、簿記の世界の「現金」について学びました。
現金に含まれる「通貨代用証券」。その中には「他人振出小切手」があると知りました。
そして、「自分振出小切手」は現金ではなく「当座預金」になることもお話しました。

今回はその「当座預金」について、じっくりと見ていきましょう。

聞き慣れない「当座預金」。それってどんな口座なの?
ドラマの中の存在「小切手」。前回も出てきたけど、振り出すってどういう意味だっけ?
そんなところから、一緒に確認していきましょう。

当座預金ってなに?

当座預金…

ぼく、普通預金なら持ってるよ。それとは違うの?

そうだね。
普通預金と当座預金はまったく別のものなんだ。
まずはそこから始めてみよう。

まずは簡単に2つの口座の違いを並べてみたよ。

普通預金 当座預金
目的 日常的な貯蓄・入出金 取引代金の決済
利息 つく つかない
引き出し方法 ATM・窓口など 小切手を使って支払う
主な利用者 個人・会社 主に会社

あっ、当座預金って利息が付かないんだ。
なんかちょっと残念…

そうだね。
でも代わりに、小切手という便利な支払手段が使えるんだよ。

小切手!この前も出てきたやつだね!

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そう。よく覚えていたね。

小切手って、「この小切手を持ってきた人に、当座預金から、書かれた金額を支払ってください」って依頼するための券なんだ。

だから、誰かが作ってくれた小切手を受け取ったらお金をもらえる券になるし、自分が作った小切手は当座預金からお金を支払う券になるんだよ。

つまり当座預金は、主に会社が取引の代金を支払うために使う専用口座なんだ。

当座預金は、「当座取引の口座」って覚えておくといいよ。

とうざとりひき…

銀行と「当座預金口座を使って取引しますよ」って結ぶ契約のことだよ。
この契約を結ぶと、小切手が使えるようになるんだ。

わざわざ契約するなんて大変そうだね。
なんで現金じゃだめなの?

取引の金額が小さいうちは現金だけでもいいかもしれないね。

でも頻繁に現金を持ち歩くのは、落としたり事件に巻き込まれる可能性を増やすよね。

そして金額が大きくなったら、不安も大きくなってしまわないかな。

そっか!安全に取引するために当座預金を使うんだね。

そういうこと。

当座預金を使った仕訳

①預け入れるとき

せっかく口座を開設しても、中が空っぽだと支払いができないね。
だからまずは当座預金口座にお金を預ける場面から見てみよう。

当座預金は資産グループだよ。

例題①

現金100,000円を当座預金口座に預け入れた

えっと、当座預金って資産が増えてる。借方だね。

そして現金は減ってる。こっちも資産で減ったら貸方。

だから答えはこれー!

(借)当座預金 100,000  (貸)現金 100,000

正解〜◯

現金も当座預金も両方資産だね。
持っていた資産が、現金から当座預金へ形を変えただけだね。

②小切手を振り出すとき

次は振り出すときだね。

小切手を振り出すってどういう意味だったか覚えているかな?

えっとね、「発行する」って意味だったと思う。

そうそう。
自分の当座預金から、相手に代金を支払うために小切手を作って渡す。つまり発行するだったね。

そうしたら、次の例題いってみよう。

例題②

商品80,000円を仕入れ、代金は小切手を振り出して支払った。

仕入が発生してる。費用が増えて借方だね。

支払に小切手を使ってるから、当座預金口座のお金が減る…
…あれ、でも小切手は、持ってきた人にお支払いする券だったよね。

そうだね。

銀行に小切手を持ってきた人に、当座預金から、書かれた金額を支払ってくださいって依頼するための券だったね。

でも、小切手をもらった人が、いつ銀行に行くのかなんてわからないよ??

そうなんだ!だから、小切手を振り出した時点で、当座預金が減ったものとして扱うよ。

それなら今この仕訳で当座預金を減らせばいいんだね。
資産が減るから貸方になって、答えはこうだー。

(借)仕入 80,000  (貸)当座預金 80,000

大正解〜◎

「小切手を振り出した=当座預金が減った」というのがポイントだね。

③当社振出小切手が戻ってきたとき

今度はちょっと頭がこんがらがる問題だよ。

自分が出した小切手が自分に戻ってきたらどうなるでしょうか。

えっ、そんなことあるの?

それがあるんだよ。

でもちょっと想像しにくいよね。
だから今回は例題を2段階で解いていくよ。

はーい。

例題③−1

A商店から商品を仕入れ、代金は小切手30,000円を振り出して支払った

これは例題②と同じだよね。かんたーん。

(借)仕入 30,000  (貸)当座預金 30,000

そのとおり。
では続けていくよー。

例題③-2

A商店で仕入れた商品に不具合があったので返品したところ、先日振り出した小切手30,000円を返却され受け取った。

あー!小切手が返ってきてる!

そうなんだ。取引の流れの中で、自分が振り出した小切手が戻ってくることがあるんだ。

そっかー、換金していなければ、そのまま使えるんだね。

でもこの小切手はもともと自分の振り出したものだし、わざわざ換金しなくてもいいよね。

そうなると、振り出したときに減らした当座預金が戻ってきたって考えればいいのかな。

当座預金が増えると資産の増加で借方。

仕入れた商品を返品したから、仕入が減る。費用の減少は貸方だから、答えはこうかな。

(借)当座預金 30,000  (貸)仕入 30,000

よくできました。

他の人から貰ったものでも、もともと自分が振り出した小切手なら、それは当座預金として扱うよ。

他人振出小切手とは扱いが違うから気をつけようね。

④受け取った小切手をすぐ当座預金にしたとき

じゃあ最後の問題いってみよう。

今度はスピーディーな動きに対応するよ。ポイントは「ただちに」

例題④

商品50,000円を売り上げ、代金として受け取った他人振出小切手をただちに当座預金に預け入れた。

でた、「ただちに」!

とりあえず普通に解くと、2ステップありそうな感じ。

・売上(収益)の増加で貸方
・他人振出小切手=通貨代用証券=現金(資産)の増加で借方

だから、
(借)現金 50,000  (貸)売上 50,000

・当座預金(資産)の増加で借方
・現金(資産)の減少で貸方

だから、
(借)当座預金 50,000  (貸)現金 50,000

そうだよね。でもここで「ただちに」マジック発動するよ。

答えはこちら

(借)当座預金 50,000  (貸)売上 50,000

現金が消えてる!!

そうなんだ。「ただちに」って出たら、現金を使わずに直接当座預金で処理するんだ。

さっきぴよが解いてくれた答えには、借方貸方両方に同じ額の現金が出てきてたよね。

同じ金額の現金の増減が同時に起きたから、省略しちゃうんだ。それを相殺(そうさい)と言うよ。

は〜、効率的だね!

クイズを解いてみよう

当座預金の動き、掴めてきたかな?
各取引で当座預金が増えるか・減るか・使わないかを選んでみよう

+ 理解度チェック
当座預金は増える?減る?
動きを当ててみよう!
各取引で当座預金がどう動くかを答えてみよう。全10問チャレンジ!
📋 答えの選択肢はこの3つ
増える(借方)── 当座預金が資産として増加
減る(貸方)── 小切手を振り出して当座預金が減少
使わない ── この取引に当座預金は登場しない
💡 ポイント:小切手を振り出したら減る。預け入れたら増える。「ただちに」が出たら直接当座預金で処理!
全10問チャレンジ
🏦 当座預金チャレンジ
1 / 10
問題 1

チャレンジ完了!
正解 / 10

まとめ

当座預金とは

・当座預金は主に会社が使う、小切手による支払い専用口座。利息はつかない。資産グループ。

・小切手を振り出した(発行した)→当座預金の減少(貸方)

・自分が振り出した小切手が戻ってきた→当座預金の増加(借方)

・他人振出小切手を受け取った→通常は現金(借方)。でも「ただちに」当座預金に預けたら「当座預金」(借方)

・「誰が振り出したか」「どのタイミングで処理するか」がポイント

当座預金ってなんだろうってドキドキだったけど、小切手の支払い専用口座ってシンプルなものだったね。

そうだね。

小切手の処理はちょっと複雑かもしれないけど、ポイントをしっかり押さえれば分かるはずだね。

他人振出は現金。でも「ただちに」マジックで当座預金。自分振出は当座預金、だね。

オッケー!

では次回は預金つながりで普通預金や定期預金などを学んでいこう。

よろしくおねがいします!

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