【図解つき】暗記に頼らずマスター!初心者でも分かる6つの係数

この記事について
FP試験で高確率で出題される”6つの係数”について、暗記不要で理解できる方法を紹介します。
FP2級を目指す初学者の方にもわかりやすいように例題やイラストを交えて説明しており、名前で覚える方法も一緒に紹介しています。
自分に合った方法でスッキリ係数を理解しましょう。
6つの係数と使う目的

6つの係数とは、”知りたい金額のおよその額が一瞬で計算できる数字”のことなんだ。
資金計画を立てる時、複利の金額の計算に使うんだよ。
6つの係数の使い方

係数表から必要な係数を探して、わかっている金額に掛ける。
それだけだよ。

とてもシンプル!
係数表とは


これは年利1%の場合の係数表だよ。
知りたい金利の係数表から、運用期間、係数の種類に合わせて適正な係数を選択するんだ。
FP試験では計算に必要な係数表が与えられるから数字は暗記しなくて大丈夫だよ

では係数の選び方を紹介するね。
2つあるから、自分に合う方を選ぼう。
係数表の使い方:計算して選ぶ

まずは計算で選ぶ方法だよ。
この方法のいいところは、係数の名前を覚える時間がいらないところと本質を掴めるところ。

えっ、名前を覚えないの?

そうなんだ。
これは一つの考え方なんだけど、係数表を使って何がしたいかを突き詰めると、名前は決して重要ではないんだ。

係数は知りたい金額がおよそいくらなのかを計算するためのツールだったね。
名前を覚えなくても、それをする方法があるってことか。

そう、それが計算で選ぶ方法。
ステップはこの4つだよ。
- およその係数を考える
- 係数がそれよりも大きいか小さいかを予測する
- 係数表から近い数字を探す
- 係数とわかっている金額を掛けて、答えを知る

年利1%で毎年10万円を10年間積み立てたらいくらになるかを例に考えよう。
まずは単純な計算でおよその係数を考えよう。10万円×10年間=100万円になるね。
これは”わかっている金額”10万円×”係数”10年間=”答え”100万円ってこと。
だから係数は10に近い数字だとわかる。

”係数はわかっている金額に掛ける”だもんね。
これでステップ1は完了か。

次は係数がそれよりも係数が大きいか小さいかを予測する。
複利とは利子にも利子が付く事だから、運用期間が長ければ長いほど、元利合計額つまり”答え”は大きくなるよね。
運用は10年間だから、係数も10より大きくなると予測できる。

10万円×10で100万円だけど、10万円×11だと110万円で答えは多くなるもんね。

そう。係数が大きくなれば、元利合計は多くなるんだ。
では次のステップ、係数表から近い数字を探そう。
係数表の運用期間10年の欄を見よう。10に近い数字が2つある。年金現価係数9.4713と年金終価係数10.4622だ。
さっき、係数は10より大きくなると確認したね。

じゃあ選択肢は1つだ!年金終価係数の10.4622!

そう、そしてステップ4だ。
係数とわかっている金額を掛けて、答えを知る。
係数は10.4622、わかっている金額は10万円で掛け算するよ。答えは104万4662円だ。

わぁ、本当に名前を覚えなくても解けた!
考え方って大事だね。

今は積み立てて運用した結果を知るための計算だったけど、他に5パターンの考え方があるよ。過去問を沢山解いて、思考を定着させよう。
あと、FP試験は係数の名前を聞かれることもあるから、その場合は対応できないんだ。出題割合は低めなので、出たらアンラッキーだったと割り切ろう。
係数表の使い方:暗記して選ぶ

計算よりも暗記が得意な人は、6つの係数の名前や役割を覚えて活用しよう。
まずは6つの係数の名前を見てみよう。
- 終価係数-しゅうかけいすう
- 現価係数-げんかけいすう
- 年金終価係数-ねんきんしゅうかけいすう
- 減債基金係数-げんさいききんけいすう
- 資本回収係数-しほんかいしゅうけいすう
- 年金現価係数-ねんきんげんかけいすう

うっ…漢字ばっかりで既に難しい予感…

漢字は字そのものに意味があるから、それを考えながら覚えると楽になるかもしれないね。
あと運用方法で以下の3グループに分かれるから、それもポイントだよ。
- 一括で運用する
- 積立ながら運用する
- 取り崩しながら運用する

ではそれぞれの係数を詳しく見ていこう。イラストは分かりやすくするために単位を年で表記しているよ。
まずは終価係数と現価係数。
これは一括で運用するグループだよ。
今ある資金を一括で運用したとき、将来いくらになるのかを求める係数。
→運用した結果(終わりの価格)を知りたいときに使う係数。

目標額を達成するために、今一括でいくら必要かを求める係数。
→現在必要な資金の価格がいくらかを知りたいときに使う係数。


次に年金終価係数と減債基金係数を見てみよう。
これは積立ながら運用するグループだよ。
毎年一定の金額を積み立てたとき、将来いくらになるのかを求める係数。
→年々積み立てた資金の終わりの価格を知りたいときに使う係数。

目標額を達成するために、毎年いくら積み立てればいいのかを求める係数。
→他の係数を覚えてそれ以外ならコレ。


最後に資本回収係数と年金現価係数だよ。
取り崩しながら運用するグループだね。
今ある資金を一定期間かけて取り崩すときに、毎年の受取額を求める係数。
→預けた資本を回収するなら、今後いくらずつ受け取れるのか知りたいときに使う係数。

今いくらあれば、一定期間かけて取り崩すときに希望額が受け取れるのかを求める係数。
→毎年希望金額を受け取るために現在価格でいくら必要なのかを知りたいときに使う係数。


減債基金係数の扱いよ…

減債って言葉、慣れがなくて難しいよね…
ちゃんと由来もあるようだから、詳しく知りたい人は調べてみてね。
とにかく、3グループに分かれた後も、将来か今かで分類できたのがわかるかな?
下の表のような感じだよ。
一括で運用 | 積み立てて運用 | 取り崩しながら運用 | |
将来の額を知りたい | 終価係数 | 年金終価係数 | 資本回収係数 |
今いくら必要か 知りたい | 現価係数 | 減債基金係数 | 年金現価係数 |

イラストの?が左か右かの違いだね。

そうだね。いろんな違いを把握して6つ頑張って覚えよう。
6つの係数のまとめ

それではまとめだよ。
・複利で運用するとき、知りたい金額のおよその額を計算するときに使うよ。
・計算方法は”わかっている金額”×”係数”=”答え”だよ
・係数は係数表から選ぶよ
・係数を選ぶ方法は”計算して選ぶ”と”暗記して選ぶ”の2種類があるよ

係数を選ぶ方法は自分に合った方を選ぼう!