老後に2000万円?ほんとに必要?作ってみよう予定表

この記事について
この記事では、ライフプラン表、キャッシュフロー表、個人バランスシートについて解説しています。
数年前、私を襲った「老後2000万円問題」。
4桁万円というインパクトのある数字に、思考が止まってしまいました。それからというもの、その数字は心のどこかに棲みつき、不意に現れては私を不安へと誘いました。
そんな漠然とした不安を少しずつほどいてくれたのが、FPの勉強で出会った3つの表です。
形のない不安を、目に見える数字として捉え直すこと。現状を把握し、「これからどう生きたいか」「どう備えるか」を考えること。
その第一歩を助けてくれるのが、ライフプラン表、キャッシュフロー表、個人バラスシートです。
この記事では、3つの表の役割や違いをわかりやすく解説しながら、作り方のポイントもお伝えします。未来のお金に不安がある方は、ぜひ一緒に「見える化」してみましょう。
老後2000万円問題

ろろろろろ老後に2000万円も足りなくなるって…
これなにほんと?!

なんか懐かしい響きだね。
ちょっと前に流行った、老後2000万円問題のことかな?

わかんない、でもなにかで見たの。
どうしよう、そんな大金用意できないよ~!!

一旦落ち着こうか、深呼吸だよー。
老後2000万円って言葉、ちょっと考えてみよう。
これは一般的な夫婦2人の家庭がモデルケースでね。老後の生活費は毎月5万円足りなくなるって試算が元なんだ。それが30年続くとしたら約2000万円不足するねって。

毎月5万円も赤字がでるの?!それが30年も続くの?!
そんなのムリ~!!!

落ち着いてー。
ねぇ、自分って「一般的」だと思う?

えっ、そうだと思うけど…

このモデルケースだと「一般的」って夫婦2人の家庭だったね。でも実際は結婚しない人もいるよね。
住むところも、持ち家の人もいれば賃貸の人もいる。
「一般的」って、そっくりそのまま自分に当てはまるとは限らないって思わない?

言われてみればそうかも…。
ぼくは結婚してないし、アパート暮らしだ。
でも友達には結婚して家を建てた人もいる。子供がいる人もいない人もいるし、人それぞれだ!

そう、人それぞれなんだよ。
だから2000万円っていう金額が自分にとって適切なのか、ちょっと考えてみたいよね。

でもそんな未来のこと、どうやって想像すればいいの??
作ってみよう3つの表

そのためにライフイベント表とキャッシュフロー表を作ってみよう。

ライフイベント表とキャッシュフロー表?
それなぁに?
ライフイベント表

ライフイベント表は自分や家族の将来設計を盛り込んだ予定表のことだよ。
例えばここで車を買うとか、子供がこの年に入学するとか。そんなイベントを年表形式で書き出していくと、未来が見える化できるんだ。
例えばこんな感じだよ。


年単位のスケジュール帳みたいなものなのかな。
キャッシュフロー表は?
キャッシュフロー表

キャッシュフロー表は、ライフイベント表に「お金の流れ」という視点を加えて補足した表だよ。
現在の収入や支出をもとにして、各年の収支や貯蓄残高を計算していくんだ。
そうすることで、将来の収支のバランスや、貯蓄がどのように増減していくのかが一目で分かるようになるよ。

- 収入欄は可処分所得で書くよ。
- 年間収支は収入合計から支出合計を差し引いた金額だよ。
- 貯蓄残高はその時点での貯蓄金額だよ。
- 変動率は昇給率や物価上昇率が入るよ。金額が一定の項目では考えなくて大丈夫だよ。

ふむふむ…これならぼくにもできるかも!

そうそう、その調子。
ライフプラン表もキャッシュフロー表も予定表だからね。未来に「こんなことがあるかも」とか「こんなことをしたいな」って想像して作ってみよう。
あとは今の収入と支出を確認して、それを表に当てはめていけば完成だよ。

これで、ぼくに2000万円が必要かどうかがわかる?

きっと見えてくるはずだよ。
だからまずは気楽に作ってみよー。
個人バランスシート

あとね、個人バランスシートを作ると、今の資産の状況が見えてくるよ。

また新しいのきた!資産の状況って?

今お金がいくらあるか分かるって事だよ。実はマイナスって事もあるかも。
個人バランスシートは今の時点の資産と負債の2つを比べて状況を確認するためのツールなんだ。だから金額は全て現在価値で考えるよ。

現在価値…今いくらか、だったね。
ライフイベント表と同じだ。

そうそう、よく覚えていたね。
個人バランスシートはこんな表だよ。

※純資産欄は次の計算式の結果で純資産または債務超過(または純資産マイナス)に変わるよ。
- 資産合計-負債合計⁼プラス残高→純資産
- 資産合計-負債合計⁼マイナス残高→債務超過(または純資産マイナス)

資産とは預貯金や株式、投資信託のような、資産価値のあるもののこと。
家や車も、今売って換金できるなら資産になるね。
生命保険で解約返戻金のあるものも資産だよ。解約返戻金は、解約したときに戻ってくるお金のことだからね。現時点での解約返戻金の額が、今の資産額だね。

負債とは返さなくてはいけないお金、つまり借金だ。
自動車ローンとか、住宅ローンとか。誰かから借りているお金があれば、その残金が負債の額だよ。

資産をプラス、負債をマイナスと考えて合計すると、差し引きで見えてくる金額がある。
それが資産額だ。プラスの金額なら純資産っていうね。
一般的には、純資産の割合が高いほど、健全な家計だと評価されるよ。

お家や車の今の価格を調べるのは難しそうだけど、査定サイトを使えば何とかなるかな。やってみる!

うんうん、その調子。がんばろー。

お~!!
まとめ

それではまとめだよ。
- 「一般的な家庭」は老後に2000万円不足するという試算があるよ。
- 「一般的な家庭」のモデルケースに、自分がそのまま当てはまるとは限らないよ。
- 自分にはいくら必要なのかはライフプラン表・キャッシュフロー表を作ると見えてくるよ。
- 個人バランスシートを作ると、現在と未来の資産状況が確認できるよ。

次回はFPって何をする人なのかをお話しするよ。
